東北一人旅②2009/02/19 19:52

荒れる日本海
2月14日、大幅に遅れて青森に着いたため、もはや13時51分の快速「リゾートしらかみ4号」に乗るしかない。当初この列車には五能線の途中駅の深浦から乗る予定で深浦ー秋田の指定を取ってある。
今日のメインディシュがこの五能線で、荒れる日本海の海岸線を吹雪に吹かれていくのを頭に描いてきた。そしてこの快速の1本前の普通列車に乗ることによって、弘前と深浦でそれぞれ1時間ほどの時間が確保でき、駅周辺を散策できるし、普通列車に乗れば地元の人の方言が聞けるのではないかと期待してきた。
列車の遅れでその期待はつぶれたが、もうひとつ問題がある。快速リゾートしらかみ号は超人気列車で全車指定なのである。青森駅のみどりの窓口にいくが、五能線に入る前の川部までなら指定が取れるがその先は満席で取れないという。原則は乗車できないが川部ー深浦の約2時間は立つということで乗ってくださいとなった。
青森駅のホームの待合室で駅弁を食べているとオレンジと黄のバデな列車が入ってきた。リゾート列車としての雰囲気を漂わせて、ほとんど満席の列車はまず奥羽線を弘前まで行き、そして来た線を五能線の分岐駅川部までもどる。ここでもう一度進行方向を逆にして五所川原へと向かう。このあたりは青森りんごの中心地、線路の両側に枝だけになったりんごの木があちらこちらに広がっている。青森県の西部に入ってきて空は曇ってきた。時折雨のようなものが降ってくる、雪ではないようだ。周りも積雪はわずかにあるだけ。一駅だけ乗ってきた地元の人に聞くとやはり今年は雪が少ない、だから屋根の雪下ろしが楽で助かっているとのこと。残念ながらほとんど標準語であった。
五所川原からは冬のストーブ列車で有名な津軽鉄道が出ている。次回はストーブ列車にも乗ってみたい。
突然列車の最前列からマイクの声がして津軽三味線の演奏が始まった。まだ十代かと思う若い3人が軽快に奏でる。さすがに観光列車だ。後の車両からもカメラを持って乗客が集まってくる。
右側に海が見えた。日本海だ、でもこの天気で海も山もかすんでいる。地図を見るとこのあたりから海岸沿いを走っているがもちろんずっと海岸線際を走るわけではなかった。
ところで、青森から隣の席に座った60代後半ぐらいの男性と話が続いた。神奈川県藤沢からで、今日同じようなルートで来て五能線もよく似た乗り方を計画されていた。川部からはお互い席がないはずだったが空き席があり、結局最後まで立つ必要はなかった。この男性は定年後いろいろ旅行をされており、この切符で前回は函館まで行かれたようだ。沖縄・札幌・カナダなどの話や仕事での全国各地勤務の話など聞かせてもらった。
停車しない駅になぜか停車すると「この先の海岸で、打ち寄せる波が強いのでしばらく停車します」。2~3分停車して出発。まもなく海岸際を走るようになり突然「バッシャン」と波が列車をたたく音。残念ながらその瞬間を見損ねたが、『やはりあるんだ』と感心するとともに『恐ろしいことだ』とも思った。その後列車まで来る波はなかったが、日本海の大きな波が岩に砕けている。
最初の予定どうり深浦で途中下車できておればこの荒波に直に触れることができたのに・・・
先ほどの男性は今日の宿泊地のあるウェスパ椿山で下車、お礼を言って別れる。再び無言の一人旅か・・・
青森から5時間、秋田に1~2分遅れて到着。8分の乗換え時間で秋田新幹線に乗る予定だったので少し心配だったが19時6分無事出発。
出発すると後ろ向きに走り出した。『えっ』と思ったら次の大曲で方向転換した。雪の中のレールを見ていて思い出したが、秋田ー大曲は奥羽線の一部で秋田から新庄への在来線の列車も走るため、在来線のレール幅の狭軌と新幹線用の標準軌とを併用するため3本のレールが引かれている。珍しい区間だ。
大曲からは田沢湖線になるが、こちらは標準軌に改軌してしまって普通列車も車輪の幅を新幹線と同じにしている。秋田新幹線というが、ここは単線で踏切もあり、ローカル線に新幹線用の車両が乗り入れてきているという感じ。秋田ー盛岡127.3Kを93分で走るが、JR岐阜ー名古屋30.3Kを18分で走る新快速のほうが断然速い。もちろんこの岐阜ー名古屋は在来線ではトップ級だが・・・
盛岡からは東北新幹線に連結されさすがに速い。仙台には21時25分着、秋田新幹線の中で駅弁を食べておいたので駅前のホテルへ直行。昨夜は夜行だったので今日は外へ出ず早目に寝ることにした。
2月15日(日)、今日は豪雪地帯を走る花輪線乗る。仙台からは、昨日東京から乗ってきて仙台で降りたやまびこ41号に乗る。盛岡まで各駅に止まってゆく。古川・くりこま高原・一ノ関と行くが大地震で被害を受けた地域であり山が多いところかと思ってきたが、特に新幹線より東側には広大な田園地帯が広がっていた。
9時15分盛岡着、ここで花輪線大館行き9時46分発に乗る。ところが乗り場がわかりにくい。東北新幹線が八戸まで開通したとき、盛岡から先の東北線はいわて銀河鉄道という第3セクターに変わった。花輪線の始発駅好摩はこの鉄道の途中にある。JRの線路はこの間途切れているわけだ。
しかし花輪線に好摩始発はない、すべて盛岡始発。だから大館行きもいわて銀河鉄道のホームから出る。そのホームは盛岡駅の北の端の新幹線のガード下のようなところにあった。定時に出発、北上するにつれ雪が増えてくる。
40年前の学生時代友達が花輪線に乗ってきて、SLが急坂を登ってゆく情景を語っていたのが今だに耳に残っている。10年ほど前、日本海側を寝台列車で来て雪の花輪線に乗る予定にしていたが、雪と強風で寝台列車が遅れ乗れなかったことがある。30数年前には新婚旅行で八幡平をレンタカードライブしたことがある。
なぜかひっかかりがあった花輪線に今乗り、八幡平のふもとを目指している。